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​8. 今後の取り組み

8.1 概要

 「2.4 請求を却下する判決が下されたが、原告の実質的勝利といえる理由」で述べたとおり、私たちが直面した白保リゾートホテル建設計画は、当面動き出す可能性はない。しかし、計画の動向に関わらず白保の住民組織がこれまで取り組んできたことや、今後取り組んでいくことは、白保の地域力をより高め、将来周辺で同じような問題が起きたときの抑止効果が期待できる。

 提訴後に被告が開発計画を変更することを表明し、訴訟が却下されたため、結局使用することはなかったが、地下浸透された排水の海域への影響を証明できる過去の研究や白保で地下水の影響を調査した論文などを調べ上げ、排水の影響を科学的に証明するのに十分な準備はすでに進めていた。

 白保リゾートホテル建築差止訴訟が終結してから1年が経過し、本報告の公開で当会は活動を終えることになるが、白保リゾートホテル建設に係る開発許可が取り下げられたわけではなく、住民の置かれた立場は訴訟の前と変わらない。白保リゾートホテル問題連絡協議会とそれぞれの住民組織は、これまでの取り組みを継続しつつ、将来に向かって新たな調査や働きかけを行っていく。

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8.2 海域の環境調査の充実

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 白保のサンゴ礁では、これまでも様々な調査が行われてきた。今後はその調査を継続しながら、これまであまり行われていなかった生物調査や海藻、水質の調査を継続的に行っていく。専門的な調査を行いつつ、市民参加型の調査にも幅を広げ、白保の海に親しみをもつ人を増やしていく。

 WWFしらほサンゴ村がボランティアの協力を得て始めた白保海域での赤土調査は、白保リゾートホテル問題連絡協議会の構成団体である白保魚湧く海保全協議会とNPO夏花(なつぱな)に引き継がれ、年4回、20年以上も継続されている。

8.3 環境保全や地域の環境に親しむ活動が継続

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 白保魚湧く海保全協議会が毎月1日の朝に行っている白保のビーチクリーンは、新たな参加者も加わりながら2年以上続いている。また、NPO夏花はグリーンベルトを普及・促進し、赤土の流出を食い止めるサンゴ礁保全の活動のほか、白保魚湧く海保全協議会と共に体験学習や環境教育によって地域の環境への親しみを育む取り組みを行っている。また、県知事認定の「白保サンゴ礁地区保全利用協定」の協定締結事業者として自然環境の「保全」と「持続的な利用」に取り組んでいる。

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