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はじめに
はじめに

 この報告は、私たちの住む白保集落から約700mのところに計画された大規模リゾートホテル建設計画に対して私たち住民が行った活動を、当会の活動のまとめとして作成しました。
 

 白保リゾートホテル問題は、2018年9月に7名の住民が原告となってホテル建設の中止を求める訴訟を提起し、2020年3月に判決が出て、幸いなことに開発許可を受けた計画のままでは着工できないことが裏付けられました。当会としては、多くの方々からのご支援・ご協力のもとに訴訟支援という大きな目的を達成することができましたので、この報告ウェブサイトの公開をもって主な活動を終了いたします。

 報告サイトの作成に当たり、この問題を振り返って一番強く感じたのは、「どうせ何も変わらない。」とか「やっても無駄だ。」と考えるよりは、おかしいと思ったこと、気になったことに対しては、確認、指摘、要望などを徹底的に行うこと、相手に対して意思表示を明確に示すこと、そうすることで見えていなかったものが見えてきたり、状況に変化が起こったりすることがある。ということでした。結果につながる決定的な解決方法があるわけではありません。白保のリゾートホテル開発計画が結果的にストップしたのは、地道な取り組みの積み重ねの結果だったと確信しています。

 私たちは、一般に公開されている情報を集め、わからないことは直接、国(国土交通省や内閣府沖縄総合事務局など)や県に問い合わせ、必要があれば保健所に出向いたりしました。もともと一般市民が普段の生活で関わる問題ではありませんから、わからないことばかりです。でも、教えてもらえば済むことで、わからなかったことがわかると次に進めます。基準がわかると開発事業者の説明の矛盾に気づいたり、公開質問状で効果的な質問をすることができるはずです。
 この開発計画に対して沖縄県からだされた開発許可はそのまま継続し、開発事業者も当初の計画を変更して事業を進める意思を表明しているため、住民が置かれた立場は訴訟の前と変わっていません。また、沖縄県から過去に開示されていた「開発許可の通知」が突然不開示とされたことに対する不服申立てについては、沖縄県情報公開審査会での審査が継続していますので、引き続き進捗状況や答申についての情報が届き次第ご報告をさせていただく予定です。

 

 この問題が起きてから、同じような問題に関わる他地域の住民の方々が立ち上げたウェブサイトで、さまざまな過去の記録を拝見して取り組み方を学ばせていただきました。同様に、今後同じような問題に直面する他地域の皆さんにこのウェブサイトが役立つことを願っています。
                                          2021年3月

追記

「開発許可の通知」が突然不開示とされたことについて、沖縄県に対して行った審査請求に令和3年3月26日沖縄県情報公開審査会から答申が出されました。こちらの請求通り、対象公文書を開示すべきである*という内容で、「開発許可の通知」(以下、「開発許可通知書」といいます)は開示されました。答申では、沖縄県が「開発許可通知書」を不開示としたことは条例に違反し、不当で、行政手続きが不適切であったと評価して、改善するように厳しく求めています。この結果を受けて、県や市に対しての働きかけの項目に公文書が不開示とされた場合の審査請求(5-4)を追加しました。(2021年8月)

*閉鎖された開発登録簿に係る開発許可通知書を除く

 

白保リゾートホテル訴訟を支援する会

 事務局長 柳田裕行

利用上の注意
本報告サイト利用上の注意

 引用した写真や図表の著作権はクレジット表示の通りですが、本報告書の著作権は白保リゾートホテル訴訟を支援する会にあり、記名原稿以外の文責は事務局にあります。また、公開はウェブサイトのみで、閲覧に制限はありませんが、本報告書の営利目的での利用と、開発事業に係る個人・法人および諸団体による利用・共有・調査・研究等を禁じます。

​また、本ウェブサイトに記載されている法令やそれらに基づく行政手続きなどは、沖縄県で当時適用されていたものです。実際に同じような問題に対処する場合には、法令や所管する自治体が定める手続きなどをご確認ください。

本報告サイトについてのお問い合わせ 

目次
白保リゾートホテル問題報告
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謝辞
謝辞

 当会の活動にご賛同いただき、当会のウェブサイトにお名前を掲載させていただいた団体および個人の皆様、白保地域の環境調査にご協力いただいた研究者の皆様、当会の活動を支えるために積極的にカンパしてくださった全国の支援者の皆様、白保リゾートホテル問題連絡協議会が行った署名活動にご協力くださった1万3千を超える賛同者の皆様、八重山・白保の海を守る会をはじめ、私たちの相談にお時間を割いてくださり、またご協力をいただいた皆様、私たちの活動は皆様の支えがあってここまで継続することができました。ここに改めて感謝申し上げます。訴訟に当たっては、日本弁護士連合会の環境保全に関する活動に取り組んでいらっしゃる東桜法律事務所の菅野弁護士にご相談し、ご紹介いただいた沖縄合同法律事務所の赤嶺弁護士、喜多弁護士、アーライツ法律事務所の吉田弁護士に訴訟代理人を引き受けていただきました。皆様のご尽力に感謝するとともに、難しい訴訟で実質的な勝利を得ることができたことに深く御礼申し上げます。

 また、白保地域で環境保全活動を根付かせようと様々な働きかけをしつつ、私たちの活動を陰ながら支えてくださったWWFジャパンしらほサンゴ村の皆様、原告をはじめとして、白保リゾートホテル問題連絡協議会や当会に応援の声をかけてくださった白保地域の皆様、皆様のおかげで私たちは、これまでの活動を通じて改めて白保の強さを感じ、活動する力を得ることできました。ありがとうございます。同じような問題は繰り返されるかもしれませんが、今後も白保はしっかりと意思表示をしていけると信じています。

追記
このウェブサイトの制作、公開についての協力を快く引き受け、構成や表現について力を貸してくれた恭子さんに心から感謝します。

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